僕を空港に送るために午前5:40 に迎えに来るという約束に対して、トムは前日の夕方と寝る前に2回その約束の確認の電話をよこした。当日の朝の5:25分に「今から行くからね。ちゃんと起きてる?」という電話をよこし、5:45 にこっそり部屋に入ってきた。
トムは、約束にルーズなタイ人にしては珍しく、時間とお金に関しては、ちゃんと約束を守れる珍しい女だ。
早朝なのに、珍しくスパンコールまでつけておめかししている。
車の中で、トムは音痴な歌を歌うこともなく、僕の手を自分の腿の上に置き、ハンドル片手に始終僕の手を撫で回している。口には出さないが、きっと別れが寂しいのだろう。
2−3日前にリンがいたずらで僕につけたキスマークを気にしていて、その時もそこを指でつねり、「あんたの部屋には、こんな大きな蚊がいるのね」と女の体の輪郭を手で描いた。

