もう10年以上前のこと、タイに始めて来た時よりも更に数年前、妻に内緒で僕はパイプカットをした。つまり、現在タネなし。

パイプカットは、30歳以上で、子供がいて、配偶者の同意書が必要なので、ニセ同意書を持って行った。つまり、私文書偽造。

当時子供は二人大きいのがいて、もう子供を作ることはない、僕のDNAを持った子孫をこれ以上残すのは人類に取って有害、これから死ぬまで心ゆくまで女遊びをしなくちゃいけないのに避妊は面倒。やるならゴムじゃなくて粘膜とやりたい。ってのがパイプカットした理由。

現役時代、取引先の面白いおっさんが、

「今までの人生で、一番やって良かったというのがパイプカットだな。あんたも女好きだから、やっといた方がいいよ。絶対、後悔しないって。」

と言うものだから、

「なるほど、よっしゃ!」という勢いでやったのだった。

いやあ、お陰様でタイ観光客時代から今まで、随分いい思いをさせてもらった。

病気さえ気を付ければ、生で放出できた。エイズも妊娠も心配無い男が相手なら、大抵の女は生でやらせてくれた。

オペの前のインフォームド・コンセントでは、手術が成功した場合、不可逆的にタネなし男になるということだった。つまり、何年か後に気が変わってパイプの再結合手術をしても、もう子供は永久に出来ませんよ、ということだった。

ところがである。最近の報告では、再結合で20~25%のケースで自然妊娠が可能なレベルの精子が出現するのだそうだ。それもパイプカットしてからの年数にあまり関係なく。

パイプカットをするときは、誰もがもう気が変わることはないと思ったはず。僕ももう一人自分の子供が欲しいなんて絶対に思わないだろうと思ったし、万一出来ちゃったら堕ろすだけと思っていた。

しかし、気が変わることは意外とあるものだ。

例えば、子供の死や、離婚と再婚などで、状況が変わった場合。

再婚相手から子供が欲しいと言われ、自分でも欲しいと思うケースが一番多いんじゃないかな。

僕の場合、マシュマロちゃんが子供が欲しいと言う。その気持ちは分かるし、叶えてあげたい気にもなってきた。ただ、僕のDNAである必要はないかなとも思っている。誰が見ても日本人の子供じゃないと思われたらバツが悪いので、最低限日本人のDNAが良い。

保険の効かない手術をして、20~25%の確率で僕の子供を作るののが良いのか、日本人の誰かに精子を提供してもらって子供を作るのが良いのか、子供なんて作らないままが良いのか、現在考え中。

子供が成人する時まで生きて行けるかどうか全く保証はないし、退職金は使っちゃって残りはあまり無いし、気が変わって別の女と暮らしたくなることだって絶対ないとは言えないし、彼女が子供を残して別の男のところに行ってしまうことだって物凄く有りそうだから、慎重に考えないといけないが、一方で慎重に考えたって仕方がないので好きなようにすれば良いとも思えて、ふらついている。

でも、もう子供を作るって約束しちゃった!