以前書いたように、トムにはパソコンの周辺機器を中国から輸入してタイのショップに卸すビジネスを持っている。

ただ、運転資金がなくてここ昨年は事実上開店休業だった。

トムに毎月最低限の生活費を援助するだけでは、何時までたってもお金が消えてゆくだけなので、3月だったか4月だったか忘れたが、僕はトムに15万バーツを貸して彼女のビジネスに投資した。

その15万バーツは、僕の思惑に反して4人で運営したため、7ヶ月後に20万バーツにしかならなかった。利益を4人で分配したからである。ということは、全体の利益は5x4=20万バーツだったということ。つまり、15万バーツが7ヶ月で35万バーツになった。これは考えようによっては、なかなかいい成績だ。もし、投資額が10倍だったら、凄いことになっていたかもしれない。

問題なのは、得られた20万バーツが僕のところに帰ってこなかったことだ。絶対に無くならないから絶対に返すという約束を信用したのに、やっぱりタイ人に貸したお金は帰ってこなかった。それでは、そのお金は何処に行ったのかというと、チェンライにあるトムの家(今は母親と小さな妹が住んでいる)の借金返済に使われた。

トムにはトムを我が子のように可愛がる子供のいない女社長がいる。今はカナダでレストランを経営している。ちょっと僕には信じられないことだが、10月にその女社長がトムの家の借金返済のために30万バーツを気前よくトムにあげた。その30万バーツとパソコンビジネスで得た20万バーツを足すと50万バーツになって、彼女の家の借金と同額になる。トムは、そのお金で家の借金の残りを全部払ってしまいたいと言った。

トムの家の借金の利息は年利6.25%。バブル期の日本並みに高く、わずか50万バーツながら毎月12,000バーツづつ返済していたのでは、何時まで経ってもなかなか借金は返済できない。

娘のようなトムが何度も切に訴えてきたので、ついに僕はそのお金を借金返済に使うことを了解してしまった。

了解の条件は、

  • 毎月の支援額から12,000バーツを差し引く
  • もし事業に失敗してお金がなくなり、それでもタイに住むことになったら、トムの家で下の世話を含めて死ぬまで世話をしてもらう。(これは保険みたいなもの。日本に住むところがあるので重要ではないが、タイで行き場がなくなるより良い。)

の2つだ。

15万バーツは退職金のお金から出したので、決して余剰金ではなかった。気前がいいと思われるかもしれないが、無条件で30万バーツをあげてしまった女社長と比べたら大したことはないかもしれない。

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少し話は飛ぶが、これまでの経緯から、一応トムは信用できる数少ないタイ人であるので、僕はトムを僕の会社の出資者(取締役)の一人加えた。日本人がタイで会社を構える場合、外国人である日本人の出資額は49%以下でなくてはならない。つまり51%はタイ人である必要があり、したがってタイ人の会社ということになる(BOIが認める生産工場等は外国会社を設立できるが)。もう一つの条件として、3名以上の出資者が必要というのがあるので、僕以外に都合2名のタイ人が出資しないといけない。そこで、一人は女事業家のナンで47%(実際はちょっと違う)、残り4%(実際はちょっと違う)をトムが出資すれば、トムが裏切らない限り、会社を乗っ取られたり、ナンに不本意な決済をされる恐れは少なくなるというわけだ。無論、トムにはビジネスに直接口を出させるつもりはない。さらに、トムを従業員にすると毎月給料や社会保険料が発生するが、経営者なら当面給料はなくても構わないというメリットもある。

トムは、客との電話対応や経理処理、在庫管理なら出来るというが、本当に出来るのかどうか僕には分からない。運転手以外は出来ないような気がする。英語も習わせたが、少しも進歩しなくて、僕とのコミュニケーションに難があり、業務上の指示や報告が上手く出来るとは思えないからだ。僕のタイ語も、残念ながらまだそれが出来る程のレベルに達していない(まだ2年は掛かりそうだ)。言葉が通じて、即戦力になるような人を別に見つけた方が良いと思うようになった。

話はまた前後するが、カナダの女社長がトムにカナダに来るように再三お願いしている。これまでは、カナダみたいに遠いところで、知らない英語で暮らしてゆくのは嫌だということで断ってきたのだが、女社長はまだ諦めていない。雇用条件は、トムは女社長と暮らすので飲食部屋代がタダで、月給が8万バーツらしい。そのお金で彼女は家族の面倒を見ることができるし、英語も上達するだろう。

それで、つい最近のことだが、僕はトムをカナダに行かせようかと思い出した。

理由は、

  • トムの生活費の負担がなくなる。
  • トムの車を僕が使えるようになる。
  • トムは僕にとってますます娘のようになってきていて、僕はトムと寝たいとは思わなくなった。
  • トムは居てもあまり僕の世話をしてくれない。
  • いろいろな意味で、もっと使える別の女を雇ったほうがいい。

まだ決めてないし、トムの気持ち次第ではあるが、年末にその女社長がタイに一時帰国するので、その時にお会いして、今後のことを相談してみるつもりだ。

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