タイ人の18歳以上の成人は全員IDカードを持っている。
国民身分証明書 Thai National ID Card、タイ語でバート・プラチャーチョンという。(山岳民族の一部やミャンマーからの元難民など、事実上タイ国民として暮らしていてもIDカードがもらえない人もいるが、その問題はここでは省略します。)
現在は15歳以上の国民全員に発行され、常時携帯が義務付けられているそうだ。更に2年前の2011年7月10日からは7歳以上のタイ国民に対しIDカードの発給が開始されたらしい。
(夜遊びの際、以前ならこのカードを持っていなければ未成年ということで、不純異性交遊みないな罪で逮捕されるなんてことになったわけだが、今は未成年でも持っているとのことなのでIDカードでよく年齢を確認しましょう。)
現在のIDカードは、ちゃんとICの入っていてクレジットカードと同じ大きさだ。サンプルを見せられないのが残念だが、運転免許証とクレジットカードを足して2で割ったような感じだ。
運転免許証かパスポートくらいしか公式に身分証明できるものがないどこかの国より進んでいると言える(実際、運転免許もパスポートもない人はいくらでもいる。)
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このIDカードは、病院に行く時や、銀行口座を開設する時、車やバイクや携帯電話を買う時、アパートの賃貸契約を結ぶ時、航空便(国内)に乗る時、ホテルに宿泊する時、ホテルに連れ込まれる時、道路の検問のとき、警察に捕まった時、銀行で海外送金を受け取る時などに提示しなければならないので、実際にタイ人はいつも携帯している。多くの場合、財布の中は空っぽに近いが、IDカードはちゃんと入っている。
個人を特定するとても大切なもので、この番号さえ分かれば、いろいろな個人情報や過去の犯罪歴も全てわかってしまう。それに、万一犯罪などに悪用されたら大変なことになるので、普通は他人には見せない(見せてもちらっと見せるだけ)。しかし、もしもタイ人と一緒に仕事をするとか、恋人になるとか、特別な関係になる場合には、必ずコピーなり写真なり本人の同意のもとでもらっておくことをお勧めする。
僕は親しくなったすべてのタイ人のIDカードの写真を持っている。写真を撮らせてもらえなかったら、そこまで信頼関係ができていないか、もしくは何か隠しておきたいことがあるからと思って間違いない。(無論、写した写真は責任を持って管理しなくてはいけない)
このIDカードに書かれている性別と年齢は、とりあえず最も信頼出来る情報であって、それ以外に事実を確認する方法はないといって良いくらいだ。タイの場合、性別すら見た目では分からない。仮に性転換手術を受けたとしても、出生時に登録した性別(つまり例外はあるが遺伝上の性別)が書かれるので、IDカードを見てビックリするということはたまにある。
顔写真のバックにはメートル単位のメジャーとなっていて、およその身長も分かるようになっている(身長を変えるのは簡単ではない)。
住所は本籍が書かれていて、現住所と一致しないことは多々ある(というか、バンコクに居る人などは一致しないことのほうが多い)。
結婚してるかどうかも書かれているが、これは発行時のものであって現在の状態を反映しているとは限らない(戸籍上の結婚はなくても事実婚であることは非常に多いし、結婚してもタイ人の男はすぐに何処かへ行ってしまう)。
生年月日や発行日などの日付は仏暦表示なので、年齢確認のために初めて見たときは、2553年生まれとか書いてあってビックリする(SF好きは未来から来た人と思うかも)。仏暦から543 を引くと西暦になるが、大抵は咄嗟には計算出来ないから困る。ただ新しいIDカードカードでは西暦が併記されているし、名前も英語表記が併記されている。
名前に関してはこの英語表記が曲者で、表音文字であるタイ語を似た音を表す英語に直しているわけなので、タイ語と英語が一対一にならない。当の本人に名前の英語表記を教えてもらっても、IDの表記と異なっていることすらあるくらいだ。ビザなど外国が発行する書類はこの英語表記となるため、厄介な問題が起こる事がある。
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以上が、IDカードをパッと見て分かる情報だが、実はID番号自体(13桁の国民登録番号)に更に多くの情報が隠されているそうだ。
13桁は、1桁 4桁 5桁 2桁 1桁
の数字で成り立っている。例えば、
1 2345 67890 12 3
という感じ。
この一番左側の1桁は「1~8」までの番号で区分けされていて、非常に重要な意味がある。↓
【1】:タイ国籍を持つ者で、1984年1月1日以降にタイで出生し、出生届けをすぐに提出した者。
【2】:タイ国籍を持つ者で、1984年1月1日以降にタイで出生し、出生届けをかなり後に提出した者。
【3】:タイ国籍を持つタイ人または外国人で、ID所有者であり、1984年1月1日~5月31日の間に住居登録書に名前が登録された者。
【4】:タイに移住(引越し)してきたタイ人または外国人で、ID所有者だが、1984年1月1日~5月31日の間にIDの登録番号を取得できなかった者。
【5】:タイ国籍であるが、IDを長年申請せず所持していなかった者。登録手違いなどで登録されていなかった者。
【6】:タイに法の下で入国した者、または非難してきた者で、一定期間タイに滞在している者。(山岳民族など)
【7】:タイに法の下で入国した者、または非難してきた者で、一定期間タイに滞在している者(上記6)の子供。
【8】:外国人でタイに移住をしてきた者で、ID所有者であり、タイ国籍を取得している者。または申請中の者。
ちなみの、僕の知合いのほとんどのは生粋のタイ人なので、【1】で始まっているが、ミャンマーから来た友人だけは【8】で、彼女の出生の話と一致する。
次の4桁のうち、左の2桁が出生地の県のコード、右の2桁が出生地の市(郡)のコード。つまり、本籍地を表す。
次の5桁と2桁と1桁は、ちょっとよくわからないが、個人ごとに重複しないように割り振られた数字群だと想像される。
このように、分かりやすい番号の付け方は、個人情報の保護という観点からは問題があるかもしれない。しかし、一方で、これらを暗号化してコンピューターでしかわからないものにしてしまったら、実社会での有用性は薄れてしまうだろう。
年金情報が分からなくなってしまうくらいなら、日本も早期にIDカードを整備すべきだと思う。
