日曜日の午後、僕達はチャトチャック市場に行った。
いろいろと面白いものがあるにはあるのだが、タイに住んでいると特に買うものが見当たらない。
うだるような暑さの中、無数のお店を回って、花の種を2種類買った。
暑さを和らげるために、飲み物やアイスクリームなどを沢山食べた。
2時間ほどでチャトチャック市場は引き上げ、僕達はチャトチャック公園に向かった。
木陰にござを引いて、寝転んだ。同じようにくつろぐ市民が多く、場所を見つけるのも苦労するほどだった。
こんなふうに寛ぐことはしばらくなかった。子供たちが小さいころ、よく公園に行って、お父さんは疲れて居眠りというパターンが思い出されるくらいだ。時々、子供がお父さんの身体に乗ってきて、一緒に遊ぼうと誘うが、眠気が勝って何もできなかった。
もっとあの時、貴重な時間を大切にすればよかった今更思う。

今、こうして空をみあげていると、随分と時間が経ったことを実感する。
タイに来てから何があったのだろうかと考えてみた。
すると何故か通り過ぎていった女達が思い出される。
20年前、妻が摂食障害と鬱に陥り、セックスレスになった。それから崩れてゆく家族に心が傷んだ。
妻は回復し、家族が元に戻るのに20年かかった。
あの時、僕は死ぬまでに100個の万個と200個の乳を手に入れたいと思った。そうすれば癒されると思っていた。
タイに来て、100個の万個と200個の乳を手に入れた。
少女と女と母親が同じものであることが分かった。
少年とお父さんと会社員が同じであるのと同じだ。
風の音と、若い少女たちの他愛もない話し声を聞いているうちに僕は眠った。
