娘のようなトムはタイ最北部のチェンライのPhanという町から15歳の時にバンコクにやって来て、17歳から一家を支える大黒柱になった。そのトムのお父さん(お母さんは結婚していない)が喘息の発作でICUに入ったというので、トムと腹違いのお兄さんとで10時間掛けて車で田舎にお見舞いに行った。

タイ人は身内が入院すると、とりあえず駆けつける。行っても何も出来ないわけだが、それでも駆けつける。僕などは、どうせ何も出来ないことが分かっているのに仕事を数日休んでまで駆けつける意味がどれほどあるのかと思ってしまうが、お父さんから見れば、娘が心配して駆けつけてくれたというだけで幸せだろう。こういうところはタイ人の心の優しさが現れているのだろうと思う。

そのトムが送ってきた写真を見ると、彼女の家は洪水の中だった。洪水と行っても30センチほどで、道路は5センチほどの軽度な洪水で、川が氾濫したのではなく雨がたくさん降って一時的に水が溜まっただけだ。

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向こうのバラック小屋までがトムの家の敷地。左にちらと見えるのがトムの借金で建てた家。

お母さんと5歳くらいの妹(新しいお父さんの子供。でもそのお父さんは既に亡くなった。)がそこに住んでいる。貧乏のくせに、僕の家よりも2倍以上広い土地だ。

もしも事業に失敗して無一文になり消息不明になったら、ここを探すと僕がいるかもしれない。

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道路も水浸しだが水深はわずか。

 

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妹と遊ぶトム。

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何も知らないトムは、「日本でも雨は降るの?」とか「休みの日はみんなお寺に行くの?」とか「もし日本に行ったら、桜と雪を見たい。」とか聞いてくる。季節のことが分かっていない。一応、大学は出ているのだけれど、他の友人と比べると桁外れの無知ぶり。