タイの会社で発生する不正行為について調べた結果を見ると、

  1. 資産の横領        71%
  2. 購買に関する不正     43%
  3. 贈収賄や汚職       39%
  4. サイバー犯罪       18%
  5. 財務報告に関する不正   18%
  6. 人事に関する不正     18%
  7. 知的財産の侵害      11%
  8. 税金に関する不正     11%
  9. 不動産担保ローンに関する不正 7%
  10. マネーロンダリング     4%
  11. インサイダー取引      4%
  12. 反競争的行為        4%

   となっているそうだ(pwd社の調査による)。

ここで不正とは、意図的に不適切な行為や報告を行い利益を得ること、及び意図的に関連情報を隠すことを言う。

上の数字は報告件数から出した比率なので、実際の発生件数とは異なる可能性があるが、他の国と比較して、上位3つの資産の横領、購買に関する不正、贈収賄や汚職が目立つそうである。

これは僕の経験からの感覚にも一致する。

横領。タイ人は現金を見ると安易に手を出してしまうケースが多いので、タイ人従業員に現金を授けることは絶対にしてはならないと、チュラ大卒業のタイ人経営者から言われた。お金は小切手にして渡し、少額でもいちいち領収書等を確認しないといけないそうだ。タイ人はちょっとくらい悪いことをしても、仏様にタンブンすれば許してもらえると思っているのだろうか。あるいは、安月給で働かされていて家族を養うのに不十分だから、これくらいしても許されるだろうと正当化してしまうのかもしれない。そして、悪いことをしても直ぐに忘れる。どうしようも無くなったら、ある日突然会社を辞めて姿を消してしまう。

購買に関する不正は、購買担当者と外部業者との癒着が原因。実際問題、知り合い等に市場価格よりも高い値段で購入し、バックマージンや特別な接待等を受ける例は相当多いようだ。小さな会社の場合、ほとんどの購買行為で公正な入札が行われていないだろうと思う。

贈収賄や汚職に至っては、汚職まみれのタイ社会を反映して、全く行っていない100%クリーンな会社などないのではないかと思える。多くは他に対応方法がなく仕方なく贈賄をせざるを得なかった場合が多いと思う。贈収賄や汚職に関しては、先進国の会社はコンプライアンス規程が厳しいので、殆どの場合は上部には報告されていないのではないだろうか。

タイでの不正のもう一つの特徴は、89%が組織内部の人物による不正だったということ。

多くの不正は専門の調査会社が徹底的に調べれば分かるようだ。ただ、そのための時間と費用は膨大なので、不正が起こらない体質を作ることが一番大切だろう。

日本の社会は人への信用を基本にしていて、そのために日本は不正が起こりにくい社会なのかもしれない。しかしタイのような国では、直ぐに人を信用してしまうので、不正が簡単にできてしまう(発覚しにくい)のだろう。安易に信用せず、毎回証拠を確認する作業が必要だと改めて痛感した。