家族を集めて会議をし、施設も見学し、今回の入所を決めた。

母も行きたくない気持ちはあるが、入所することに合意した。

それで、僕は1週間以上掛けて、いろんな準備を完了した。

しかし、最後の最後になって、今回の入所は取りやめることにした。

随分、時間と労力を無駄にして、僕はもう疲れた。

母は、

「その後いろいろ良く考えて、あんなところにやっぱり行きたくない。この家に一人でいる。」

と言って、入所のための服の準備も止めてしまった。

前の記事に書いた入所して欲しい理由を幾ら言っても、もう聞かない。

「一人で家で動けなくなって、何日も誰にも気付かれずに死んじゃう人も居るんだよ。はあちゃんも、そんな目に会いたくないでしょう?」と言った時の返事が僕の気持ちを変えた。

「死ぬまでここに居て、一人で死んでも本望。」

ああ、これ以上何を行っても駄目だと感じた。

入所してもらう為に日本に帰って来たのだが、今回は母を家に残してタイに戻る。

七海ちゃんも産まれて来るし、いちご園とフラワーパークの来期にかけての準備が忙しくなるので、余程のことがない限り、半年以上日本に来れない。

激しい徒労感と疲労感に襲われたが、全くの無駄だった訳では無いと思うようにした。

先ず、施設入所に際してやるべき事が理解できた。

複数の施設や身元保証会社のサービスの性質や費用が分かった。

複数ある母の銀行口座の現状を調査して、半分くらいに整理した。

折角整えた施設に持ってゆくために揃えたもの

 踵付室内靴2つ

 電波掛け時計

 テレビ台

 TVアンテナケーブル

 IH万能料理パン

 お茶入れ保温水筒

 タオル、シャンプー石鹸類、歯磨きセット

 などなど多数

段ボール箱に入れて、持ち込むばかりとなっていた物を元の位置に戻した。

入所を近所に説明するチラシも作ったが、全部捨てた。

眠れない夜が続いていたが、母が飲まずに溜まっていた睡眠薬を貰って飲んだら、9時間以上も眠れた。