僕が未だ10歳未満だった頃、父の会社の社宅に住んでいた家族と、何度か三河湾の蒲郡付近に海水浴に連れて行ってもらった。

潮干狩りにも何度も行った。

その時の記憶が今も残っている。僕ら家族の一番幸せな時期だった気がする。

高度経済成長時代で、海辺の町には浮袋を持った子供たちで賑わっていた。

そこに母を連れて行って、竹島や水族館や潮干狩り場を見て来た。

アサリやハマグリ、クルマエビが豊富にいた奇麗な海は、その後の公害で死の海になったが、再び復活して済んだ海水の海に戻っていた。

海水浴で賑わった観光地の面影は消えてしまっていたが、風景にはところどころ昔のままに保存されている所があって、子供の頃の思い出が蘇った。

水族館も建物は古いままながら、潰れずに息を吹き返していた。

老いた母も「昔を思い出すわ」言っていた。

貧しい家族ではあったが、毎日が輝いていた。

その数年後以降、あまり幸せな家族にはなれなかったが、これからあのときの様な幸せな家族を作りたいと思っている。