暫く振りに、野生ゾウが僕らのいちご園に来襲した。

夜中の2時頃、1家4人が寝る住込みワーカーの小屋の横に停めてあった車の横に、デーサバンの方からオスの野生ゾウが1頭やって来た。

彼らの寝床から距離にして5メートル。

物音に気付いたワーカーの旦那が、マシュマロちゃんに知らせて来た。

マシュマロちゃんは、どうすることも出来ないので、野生ゾウを追っ払うレンジャーに電話して助けを求めた。

その後、野生ゾウは僕らの野菜園といちご園の間の細道を通って、ショップの方へ向かった。

途中、ウォーターシステムの塩ビパイプを踏み付けて潰してくれたが、いちご園と野菜園には一歩も入らなかった。

ショップの裏で、彼はいちごに掛けて食べる真っ赤なブアイ(砂糖と塩に梅干しの粉を眩したやつ)の匂いに惹かれ、ショップの中の棚に置いてあったブアイのビニール袋を長い鼻で探り当てて奪った。

それをショップの裏で貪り食って、それからショップの脇から車道に出て、そのまま北の藪に入って行った。

ショップにもいちご園にも一歩も入らなかった。

いちごが美味しいことを知らないようだ。

野生ゾウは、甘い匂いに惹かれてやっては来たが、人間や人の物を壊す意図は無いようで、寧ろ壊さないように気を配っているように思えた。

結局、朝までレンジャーは来ず、朝には足跡も残さず消えてしまった。

味を占めたゾウは、必ずまたやって来る。