プーは暇なのか、今日も早朝から電話で僕を呼び出して、お寺にお参りに行こうと誘ってきた。彼女の彼氏は今フランスに行っていて、彼女は一人なので、お相手は僕に集中している(二人の子供はニュージーランドに留学中。元夫は別の女のところに行ってしまった)。友人関係が豊富だというのが彼女の自慢でもあるのだが、どうも実態は孤独なおばさんのようだ。

僕はお寺の生まれで、坊主になり損なった口だが、特に仏教を信仰しているというわけではない。お祈りしたり、タンブンしたりしても、幸運や幸せがやってくるとは思えないし、死んだら地獄行きは決まっているので、今更お寺に朝からわざわざ出かけて行きたくもなかった。

「あんた、女運が悪いわよ。あんたに近寄ってくる女は悪い女ばかりだから、お祈りしなさい。それに、新しく事業をやりたいなら、お祈りしなきゃだめ。」と彼女は言う。

「何をお祈りすりゃいいんだ?」と聞くと、

「世話好きでセクシーな女が見つかりますようにと仏様に頼みなさい。そしたら、悪い女とはさよならできるでしょう?」とプー。

日本じゃそんなことは仏様にお願いすることじゃないし、そういう望み自体が煩悩であって、良くないことになっているのに、タイでは堂々とお願いすればいいことのようだ。タイの仏様は、世話好きでセクシーな女を手配することまでしてくれる有難い存在のようだ。煩悩も受け入れて楽しく生きるタイが僕は居心地がいい。

「それから、まずは仕事でお金が儲かるようにお祈りしなさい。お金があれば、女なんていくらでも手に入れられるから。今日は特別な日だから、今日お祈りすれば絶対成功するわよ。」

仏様にお金をお願いするのも変な気がするが、考えてみればごく自然だし、昔からこういう習慣は日本にもあることを思い出した。

「わかった。じゃあ行くよ。」

どうせ大した予定はなかったので、写真でも写しに行くつもりでOKした。

 

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このは中国仏教のお寺。彼女の祖先は中国人なのでこういうお寺になる。

 

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タイより日本のお寺に似ている。

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どっちからどう読むのかわからないが、なんとなく女運や金運がよくなりそうな気配がするのは気のせい?

 

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ここで、買わされたお守り。金と銀。一つ300B。これで本当に女運と金運が付くなら安い。

 

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 次に行ったのは隣のお寺で、RAMA Iが戦争に勝ったのを記念して建てられた有名なお寺 

旧バンコク中心地にあるその名もワット・チャナ・ソンクラム(Wat Chana Songkhram)。

訳すと戦勝記念寺院。勝つから幸運をもたらすのだそうだ。

 

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兵隊さんの格好をしたラーマ1世。なんでも仏様になっちゃう。タイでは王家と仏教は密接な関係がある。

 

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中に入ると、今までとは違って、法曹に対面して座ってお祈りしている。

 

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僕もちゃんと手を合わせて、女とお金をお祈りした。

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法曹たちのお経は、日本のとかなり似ている。梵語なので当たり前か。考えてみるとタイでお経を聞いたのは始めてだった。

お経のリズムや声調は聞き慣れたせいもあって、好きだ。

 

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金ピカの仏様。日本のお寺は真っ黒に煤けた仏様が多いが、金ピカじゃないとダメなんだそうだ。

 

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なかなか興味が湧く仏画。

 

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古い柱時計と巨大な象牙が飾ってる。

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プーの家族と記念写真。

真ん中の車椅子のお父さんがプーのお父さん。

彼はタイ語、中国語、英語、日本語を話す。日本にも7回行ったことがあるらしい。
 

このあと、この家族と、お寺が用意した特別な料理を一緒に食べた。お坊さんたちも同じ食事だった。あまり辛くなくて、どれもとても美味しかった。

「これで、あなたもお金持ちになって、いい女がいくらでも手に入るわよ、きっと。」

とプー。タイの仏様は僕の味方だ。