以前ブログに書いたように、トムが会社を辞めてしまったため、僕が出してあげた保証金の30,000Bは消えてなくなってしまった。
ソンクラーンでチェンライの実家に帰ったトムは、月末にバンコクに帰ってきてから新しい仕事を探すらしい。仮にすぐに仕事が見つかったとしても、新しい会社から給料が出るのは一ヶ月後なので、その間トムは生活費がない。更に、高校を卒業したばかりのいとこの少女が一緒に上京してトムと同居するらしい。そして、給料が出るまでの間の生活費を僕に出してくれと言う。そんなことを頼めるのは僕しか居ないことは知っているものの、流石に頭に来た。自分の食費も自炊にして節約しているのに、こんなふうにお金を使われた日にはたまったものではない。僕としては、彼女の全生活の面倒を見る義理も約束も何もないはずだ。
「いつまでも僕をあてにするな。もうこれ以上おまえの世話は出来ないからな!分かったか!」
そのことを、言葉が通じない相手に何十倍もの文字数を使って説明したら、
「分かりました。あなた次第です。」
と聞き分けの良い事を言う。
ところが翌日、トムは胃潰瘍になって大きな病院に入院してしまった。
「私は捨てられた」=「もう生活していけない」という公式でトムは絶望の境地に追いやられた。普段何も悩まずに生きているタイ人は、この手のストレスに滅法弱いらしく、一気に胃潰瘍になってしまった。
Skypeでビデオチャットをしてみると、病院のベッドで点滴を受けながら、お腹が痛いとボロボロと泣いている。お母さんも付きっきりで看病していて、バツが悪いことこの上ない。
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僕は腹が立つやら可哀想やらで、どうしていいのか分からず、別のタイ人に事情を話して、どうしたら良いかと相談したら、意外な答えが帰ってきた。
「あなたの好きなようにすればいいのよ。捨てるのと世話するのと、どっちが自分の幸せかで決めればいいの。あんまり考えすぎて、あなたが不幸になってはダメ。あなたはもう若くなくて、これまでいっぱい頑張って来たんだから、これからは自分が幸せになることを考えなさい。」
答えになってるのかどうか分からないが、責任や義務ばかりが重視された日本とは違って、自分のしたいようにするのが大切というのがタイ式のモラルらしい。なんか、いたく感心した。
どうするのが、僕の幸せなんだろうか。
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幸いにも急性の胃潰瘍はすぐに快方に向かい、今日トムは病院を退院した。
そして、健康保険がないので、とっても高額な病院の請求書が僕に送られてきた。
検査費、処置代、薬代で、計14,881THB(本日レートで51,041円)。
もちろん、トムの一家にそんなお金はない。


名前は消してあります。
各項目を見ると、日本と比べても確かに高い。
