カオヤイ国立公園には、かれこれ40回程行った。

1回400バーツの入場料を40回即ち16000バーツも払ったというのに、僕はただの一度も野生ゾウにお目にかかったことはなかった。

一ヶ月ほど前から、僕らのカオヤイ農園付近に野生ゾウが連日出現するようになってからも、一度も見たことがなかった(飼い慣らしたゾウは毎日見ている)。

野生ゾウは大抵夜間に出て来て、朝には森の奥に帰っているので、なかなか遭遇出来ないのだが(遭遇したくないが)、昨日遂に見てしまった。

レンジャーが数十名集まったが、見ているだけ。救急車や背広組も来たが、ゾウの後について歩くだけで何もしない。

上の写真は昨日の夕方のものだが、実は昨日は朝から農園に来ていた。

その時間、僕は友人をスワンナプーム空港に送るため、国道2号線を走っていた。住込みワーカーからラインメッセージが入り、作った温室のすぐ裏に野生ゾウが三頭居ると言う。住込みワーカーの旦那が今追っ払おうとしていると言う。

2週間前、僕らのカオヤイ農園に野生ゾウが出没するというので、カオヤイ公園のレンジャーや国の野生動物保護官やマスコミが集まったことがあった。

その時、もし野生ゾウに出会ったらどうするかレンジャーに聞いてみた。

彼は、1に逃げろ。2に我々に電話しろ、ということで名刺を貰ったのだが、その電話番号を住込みワーカーに伝えるのを失念した。おまけに、名刺は腹巻き財布に入れていたのだが、名刺や領収書で一杯になったので、数日前に名刺は全て別のバッグに移していて手元になかった。

しかし、写しておいたレンジャーの車の写真から連絡先が分かり、マシュマロちゃんが車からレンジャー出動を要請した。同時に、ワーカーに追っ払わずに遠くに退避するように伝えた。

レンジャーは直ぐに来たらしいが、その時は既にゾウは新たに建てた住込みワーカー用の掘っ立て小屋の裏を通って、ラムタコーンという沢の方に行って隠れてしまっていた。

その後、夕方に僕らが農園に着いた時にも、未だレンジャーは居て、野生ゾウの行方を探していた。

そうこうするうちに、野生ゾウは予想外の方向から一頭が現れた。上の写真は、その時のものだ。

他の二頭は行方不明のまま。

神出鬼没のような野生ゾウだが、僕は気が付いた。彼らは何時も決まった道を歩く。その通り道には糞があって、草木が倒されて、所謂獣道になっている。ゾウは何時も必ずそこを通る。

上記の写真の導線も、過去の数回と全く同じで、数メートルもずれてない。向かいのレストランの奥のジャックフルーツ畑に侵入したときも、塀の同じ場所を壊して進んで行った。

野生ゾウは、僕らのカオヤイ農園の両脇の小路を通ってラムタコーンと北側の山を行き帰りしているが、何故だが農園には入って来ない。

愛犬ベリーは、ゾウの後ろ20メートル程を歩いて着いていくが、吠えたりしないようだ。

ゾウは新しい掘っ立て小屋の近くを通るので、ワーカーが危険に曝されると思い、焚き火をして灰臭いを放たせば鼻の良いゾウは近寄らないだろうと思って指示したが、ワーカーはそんなことしなくても大丈夫と言って平然としている。

昨夜は、ゾウの大きな鳴き声が響き渡り、住込みワーカーの奥さんは安眠出来なかったと言う。

野生ゾウには、早く山に帰って欲しい。

いちごを定植してからは、二度と下りて来ないようにと願うばかりだ。