土曜は朝から撮影会だった。

朝7時に出発して、終わったのは12時半。思ったよりやることがあった。

僕がオーダーしたわけなので、当然のことながらすべて僕が決めないといけない。それは分かっていたが、実に細かいところまで気を使わないといけないので大変だった。

例えば、着こなし。衣裳にシワが出来てないか? 肉がはみ出してないか? ポーズや表情はどうか? カメラアングルは適切か? 髪の毛は写ってないか? 欲しいショットを忘れずに写しているか? などなど。

それらを1000枚近いショットで、いちいち確認しないといけなかった。

モンその他の同伴者はポーズや表情ばかり気にするが、着こなしや身体のラインが一番大切なのだ。始めのうち、僕はちょっとした衣服のシワや肉のはみ出しまで気にして直させたので、そのうちにモンもカメラマンもポイントが分かってきて、後半は少し楽になった。

 

現場で困った点としては、

1,衣裳によってはサイズが合わない。

大きすぎる場合は、背中の見えない場所に安全ピンで引っ張るように止めた。

小さすぎる場合は、これはもう無理やり着るしかない。幸いモデルは着慣れているのか、キツイサイズでも不平を言わずに着てくれた。サイズ的に無理だろうと思っても、着れてしまうから不思議だ。しかし、肉がはみ出してしまうのは仕方がない。

「胸が盛り上がりすぎだから、ブラの中にきっちり胸を入れて。脇のほうに肉がはみ出しているから、それも入れてください。」

フェチ親父みたいにジロジロ見ながら、そう言うと、

「こっちを入れたら、どうしたってあっちから出ちゃうわよ。私の胸は大きいんんだから。」と言い返されてしまった。

サイズが用意出来なかったのが悪いのだが、それでもモデルは従順に働いてくれた。

シワや肉のはみ出しは、ある程度リタッチで取ることが出来るので、細かいことを言うのは止めておいた。

 

2.モデルが生理になった。

しかも、タンポンなし。

「プロとして失格」と思ったが、そんなことを言っても始まらない。

朝が早すぎて薬局やスーパーは開店していない。タイのコンビニにはタンポンは売ってない。

生理用ショーツは透けて見えるのでダメ。生理用ショーツを脱がすとナプキンが少し見えてしまう。生理の量が多くて、まさかナプキンなしというわけにもいかない。

「ティシューを丸めて中に突っ込んで」とプーおばちゃんは強いこと言ったが、モデルが本当にそうしたのかどうかは分からない。

モデルが着替えるトイレに入ってみると、確かに量が凄い。今朝から始まったというから仕方がないか。

なんとか撮影は出来たが、一部服に月経血が付いてしまった。

 

3.刺青がど派手だった。

タトゥーがあることは分かっていたが、実物を見ると予想以上に色が濃く、大きかった。

完全に腰からはみ出すばかりでなく、黒の服でも透けて見える程だった。

その場で出来たことと言えば、リキッドファンデーションを塗りまくって色を薄くしたことくらい。それだけではタトゥーを見えなくすることは出来ないが、薄くは出来たので、後はフォトショップ等で消すしかない。

ただ、背中のショットは少ないので、問題は多くない。

 

IMG 5262

ストロボ無しでiPhoneで撮影したもの。

 

明日から日本出張だが、この数日内に使うショットを決めて指示しないといけない。

写真データは一枚あたり25MBもあるので、扱いにくい。

使う写真の選択のために、640ピクセルの小さいファイルを全部Eメールで送ること、選んだ写真の修正を僕の帰国中に進めておくこと、写真はすべて僕の所有物となるので後日全データを送ること、一枚たりとも消去しないこと、などを直接伝えた。オーガナイザーやプロマネを任せたモンは、そういう肝心なところまではフォローできないので、気が抜けない。

1000枚近く撮影したので、どの写真を使おうか悩みそうだが、そういう悩みは楽しみでもある。