僕は酔っ払うと涙もろくなる。

飲みながら邦画を観れば、たいてい泣けてくる。

けれど、しらふの時は滅多に泣かない。

でも先日は、一日で5回も泣いてしまった。

始めの4回は、これから現実に体験するかも知れないことをただ想像しただけで一人涙が溢れた。誰に見られた訳でもないので、泣いたとは言えないかも。

最後の1回は、想像したこととは逆の現実を体験して、マシュマロちゃんの眼の前で声を出して泣いてしまった。

僕はこの半年間に最も精力を注いでやってきたことは、いちご園でもフラワーパークでもない。

何とかして子供を作ることだ。

と言っても、普通の性生活ではもう無理と分かっていたので、非常に特殊な方法を試みた。

その方法は、今はまだ詳しく書かない。成功したら纏めて報告するつもりだが、多分誰もやったことがなく医師も推奨しないだろう方法。けれども、精子と卵が正常ならおそらく成功確率が高い方法。

それを4ヶ月やって、4度目の生理が2週間来なかった。一年間の間で12日間遅れたことは一回有ったが14日は初めてだった。

だから、その日こそは妊娠検査をやってみて、陽性の結果を得ることを想像した。4回想像して4回一人で涙した。

「やったあ!ついにやったあ!」

そう想像したら泣けて来たという訳。

しかし、その夜、妊娠検査をする前に生理が来てしまった。

その現実を聞いて、僕は泣いてしまったのだった。

理屈では、妊娠した可能性はあったとはいえ妊娠してない確率の方が高いことは分かっていたので、別に不幸な目にあった訳じゃないが、期待が大きかったので悔しくて泣けたんだろうと思う。

4回やって成功しないなら、10回やっても多分成功しないので、これが最後の挑戦のつもりだった。

どうやら、その方法は駄目そうだ。

次はどうするか?

弱者を守るための法律が人生の邪魔になることもあるもんだ。

「泣かないで。子供が出来なくても貴方と暮らせれば私は幸せよ。」

彼女の言葉が余計僕を泣かせてくれた。