世界保健機関(WHO)の調査によると、2010年の人口10万人当たりの交通事故死者数はタイが38・1人と世界で3番目に多かったとか。1位は人口1500人程度の島国ニウエで68・3人、2位はドミニカ共和国で41・7人。2010年のタイの交通事故死者数はタイ政府発表で1万3365人だが、WHOは実数がほぼ倍の2万6312人だったと推定した。

 
アジア諸国の2010年の人口10万人当たりの交通事故死者数はマレーシア25人、ベトナム24・7人、中国20・5人(WHOによる推定死者数27万5983人)、ラオス20・4人、インド18・9人、インドネシア17・7人、カンボジア17・2人、ミャンマー15人、韓国14・1人、フィリピン9・1人、日本5・2人、シンガポール5・1人。 その他の主要国は南アフリカ31・9人、ブラジル22・5人、ロシア18・6人、米国11・4人、ドイツ4・7人、英国3・7人。
 
つまり、死亡交通事故率は、ざっと日本の7.3倍ということになる。
 
日本もかつては交通戦争と言われた時代があった。しかし、その後皆が交通ルールを守るようになり、道路は比較的平和でのどかだ。飲酒運転する人は殆どいなくなった。シートベルトやヘルメットもちゃんと装着するのが当たり前になっているし、車体も乗っている人の身体を守る作りになっている。救急医療も世界一だ。
 
そんな事情でタイよりも死亡事故がずっと少なくなっているのだが、タイで死亡事故が多いのは、もう一つ別の事情がある。
 
それは、オートバイの多さである。
交通事故死者の7割近くがオートバイ乗車時に亡くなっている。
赤信号になると、停止線付近やその前に、オートバイが100台くらいならんで、すざましい。オートバイは自動車一台分のスペースで走行したりしない。ただでさえ自動車の車間距離は日本より短いのに、オートバイはその間に割り込んで走る。車線と車線の間も、自転車専用車線もオートバイの走行地帯。渋滞になると、車の間を縫って走る。車の直前にもすぐに割り込んでくるので、事故が多いのは当たり前のように思える。
 
しかも、一旦事故になれば、オートバイは人体がむき出しなので、ちょっと転倒しただけでも大怪我になりうる。車に敷かれれば簡単に死亡事故だ。
 
モトサイと呼ばれるバイクタクシーもたくさんあって、女性はそこに両手に荷物を持って横座りで乗る。転べば放り投げ出されることは必須だ。車の間を縫って走る際に、足が他の車と接触することもある。
 
だから、モトサイは危険で出来れば乗りたくないとタイ人も思っているのだが、お金の節約と渋滞を嫌って、多くのタイ人がモトサイを利用する。モトサイの後部に座るお客さんのヘルメット装着率は、多分10%以下。
 
当面、タイの交通事故は大きく減ることはないように思われる。
 
 
先日、TH3の53歳の男性が怖いことを言っていた。
タイ語学校の先生が、こんなことを言ったそうだ。
「自転車で通学する人は習い始めは多いけど、だんだん少なくなって、終了の頃にはいなくなる。事故で亡くなるから。」
 
自転車通学の僕も、起業で成功する前に、この地で車に敷かれて死んじゃうんだろうか?