性格温厚で、何時もへらへらしているハムケンだが、この前、珍しく激昂した。
もう一月も前のことだ。
あまりにも腹が立って、相手を殴り倒すか、余程痛い目に会わせてやらないと気が済まかったのだが、悲しいことに腹が立った時には、もうその相手は手の届かないところに居た。
腹が立って夜中に眠れないし、仕事中も精神衛生宜しくなく、酒も増えるし、健康には良くなかった。
それを見ていたマシュマロちゃんは言った。
「あなたが怒る気持ちは分かるけど、もう怒らないで。今更怒っても何も変わらないし。こんなことは、日本ではないとしても、タイでは普通のこと。もう怒るのを止めて忘れた方が良い。」
そう言われて、僕は暫く怒りを封印することにした。
それから一ヶ月、僕はそのことについて考えない事にした。ブログにも書いてない。
その間、マシュマロちゃんが肺炎で入院したし、僕らが不在の間、どうやっていちご園を仕切ってゆくかといった差し迫った課題に追われて、本当に怒りを封印していた。
しかし、今振り返ってみると、やはり腹が立つ。
もう済んだことだし、こちらの被害は上手く乗り越えたので、今となってはどうってことはないのだが、不愉快極まりない記憶であることには変わりはない。
せっかく煮え繰り返った腹が収まりつつあるので、詳細に経緯を書くのは、もうちょっと先にすることにしたいが、腹が立った相手と言うのは、住込みワーカーのことである。
あいつら、悪気は無さそうだが、人間失格だ。
この俺様との、幾度かの堅い約束をへらへらとぶち破った。
努力して培ってきた信頼関係を屁の如く放り去った。
何時ものように、義理と恩義と仇で返してくれた。
しかし、本人はそれ程悪いことをしたという認識はない。
ただ、ちょっと気が変わっただけだ。
全ては自由。自分の都合優先。人への迷惑なんて関係ない。
今頃、もしかして後悔しているかも知れないが、後悔しているのは僕を裏切った事では無くて、割が良い仕事を無くして、不毛な貧乏生活に戻ったことだけだろう。
