僕らにいちご栽培のノウハウを教えてくれた大御所兄貴のいちご園が、ここ数年上手く行ってなかった。

貸したお金が焦げ付いたことも問題だが、それよりもアンハッピーな兄の将来をマシュマロちゃんは心配していた。

落ち込む兄に、マシュマロちゃんは次の様に提案した。

① 兎に角、花を美しく咲かせて、写真スポットにすること。

② いちごだけじゃなく、コーヒーや飲み物も提供すること。

このうち①は、僕らがバーベナの苗を数千株以上無償提供して、栽培方法を教授した。

セロシアの栽培も勧めて、何処で種を買えば良いか教えた。

その結果、僕らのフラワーパークよりも豪華ないちご園になった。

そのことは2週間ほど前にも書いたが、今日の時点でもワンナムクアオ一番の美しさだった。

この効果で、ワンナムクアオ一番のお客さんの入りになった。

その兄貴が、彼女の提案に従い、コーヒーコーナーも始めた。

だけど、インスタントコーヒーしか飲んだことがない兄は、どうしたら美味しいコーヒーが出来るのか分からない。

そのせいか、さっぱり売れない。

その話を聞いたマシュマロちゃんは眼が輝いた。

家に使ってないエスプレッソマシンを車に詰め込み、

「ワンナムクアオに行くよ!」

と張り切っていた。

[私の出番だ]

[今こそ恩返しガ出来る!]

ち思ったんだろう。

いきなり、僕らよりもサワー類の品数が多い!

カウンターの作り付けは彼の自作。使っている材料を見て、結構景気が良いことが伺われた。

コーヒーが飲めないのはマシュマロちゃんも同じだが、コーヒー作りには彼女の方が年季が入っているので、「私の出番」と思ったようだ。

得意満面で教えている姿を見て、とても御満悦そうだった。

こんな嬉しそうな彼女を見たのは久し振りだ。

僕らにワンナムキアオでのいちご栽培方法を教えてくれた大御所兄貴に恩返しが出来たかも。

家族はライバルでも商売敵でもなく、成功を共に喜び、失敗を共に悲しみ、共に助け合う。それが当たり前で、それが家族というもの。

新鮮な感動を得た僕は、今まで心が荒んでいたのか。